こしあぶら
ほうぼうから、
高いうわさは耳にはいっていたものの、
一向に縁のなかった山菜があった。
その名は、こしあぶら。
なななんと、
先週、その「こしあぶら」と初ご対面。
レッスンに参加してくださったかたが
青々とした新鮮なこしあぶらを
持ってきてくださったのだ。
ご実家がある仙台で、お母さまが摘んだものとのこと。
濡れた新聞紙に丁寧に包まれたこしあぶらは、
親切にも、丈の短いものと長いものに分けられていた。
これは、本当にうれしすぎ(いや、大げさではなくて)。
食べかたを聞くと、
茎の根元にある、はかまをとって、
天ぷらにしたり、ごま油で炒めて食べるなど
アクが少ないので、アイデア次第でいろんな料理に使えるという。
早速、揚げ物と炒めものにしてみた。
天ぷらは、こしあぶらを茹でずに
はかまだけをとって、生のまま衣にくぐらせ
油で揚げた。
炒めものは、
はかまをとったこしあぶらを
塩をいれた熱湯で2分ほど茹で、
5分水にさらす。
水けを切って、食べやすい大きさに切り、
じゃことごま油で炒め、
醤油、みりん、酒で味つけした。
天ぷらを食す。
まずは、そのままでパクリと1本。
次は、塩をほんの少しつけて。
さらに次は、天つゆをこれまた少しつけて。
茎の根元の部分は、オクラのようなぬめりと
ほっくりとした食感。
かみしめると、ゆっくりとゆっくりと
春のほろ苦い香りが口中をめぐった。
これは、おいしい!
子供も、うなずきながら何本も何本も口にいれていた。
「これは塩か何もつけないで食べるのがいいね。」
と言いながら。
これには、同感。
炒めものは、ごはんにかけて食べてみた。
ごはんが止まらない!とはこのこと。
ほのかな苦みに、食欲がかきたてられた。
こしあぶら。
これはいいぞ。気に入ってしまった。
タラの芽ほど苦みが強くないので、
山菜初心者にもいいのではないかな。
先日は、こしあぶら料理を食卓に並べ、
ふふふ。
ひとり、悦に入った。