日常の夕飯 ~またまたピータン豆腐、など~
ひとつの食材にスポットをあて、
秘められた歴史や文化を紐解きつつ、
ひとつの食材が生みだされるまでの手間ひまや
それに関わる人たちの想いを伝える番組、「食彩の王国」。
昔から好きで、観られる日は観るようにしている。
先週の土曜日は、「春の弁当」がテーマだった。
オープニングでSLが走っている映像が流れると、
あっ、もしかしてあれは…!
心のなかでそうつぶやいた数分後、
やっぱり。
わが郷土、静岡県島田市を走るSLの無人駅、
抜里駅の駅長が作るお弁当が紹介されていた。
見慣れた山の景色に、人々の口調(方言)。
なにもかもが、頬の筋肉がゆるむような映像。
気づいたら、前のめりになって観ていた。
駅長である80歳をこえる女性が作るお弁当には、
四季折々の食材を使った、
10種類以上のおかずがはいる。
番組では大根づくしのお弁当が紹介されていたのだが、
どれもこれも、郷土の懐かしい料理ばかり。
なかでも、豚モツいりのおでんをみた瞬間には、
実家に帰るといつも豚モツ&ガツ入りのおでんを
作ってくれる母の顔が浮かんだ。
女性の駅長は、
足が不自由で外に行けないお年寄りのために、
四季を感じてもらおうと、お弁当のふたを閉める直前に畑に行き、
いまが満開の、黄色い菜の花を切って添えていた。
女性のその温かいお心遣いがとても素敵だと思った。
そして、SLが通るときは、
はじけるような笑顔で黄色いハンカチを思い切りふって、
見送っていた。
その笑顔は、まるでお弁当に添えた、色鮮やかな菜の花のようだった。
胸がじんとした。
わが郷土、といいながらも、
実は育った実家からは遠く、この抜里駅を訪れたことがない。
今年のゴールデンウイークは無理だけれど、
来年の春こそは、女性に会いにいきたい。
お弁当も食べてみたい。
そう思った。
土曜日の食彩の王国に、元気をいただいた。
昨晩の夕飯は、
餃子
塩茹でしたスナップえんどう&トマト
豚の角煮と昆布煮(前日の残りもの)
ピータン豆腐
中華風野菜スープ
もち麦ごはん
ここのところ、常温で保存できる食材をよく使っている。
そのひとつに、ピータンが。
ピータン豆腐を作るときは、たいてい豆腐を細かく崩すのだが、
昨晩は、絹豆腐の形をある程度残してみた。
豆腐は、包丁で切るのではなく、
スプーンでそっとすくうのがポイント。
こうすると、豆腐にやさしく味がしみこむような気がするの。
ワタシの、ちょっとしたこだわり。